公的手当の所得制限で騒いでおりますが

こんばんは。学生の頃に留学生のチューターをしていたかたかなです。

 

掲題の件、色々と話題になっていますね。特に子育て中の方々からの反感が強いようで。それについてちょっと語らせてもらいます。

 

かくいう私も、各手当の所得制限には反対です。

 

転職して給与が上がり、私の1馬力で日本の世帯年収の平均くらいになりました。私の住んでいる地域では、児童手当とかがもらえるギリギリの額です。

 

悩ましいですよね。私は出世欲はないですが、生活を良くしたいという欲は無限にあります。そのためには言わずもがなお金が必要です。

 

私の実家はTHE低所得世帯だったので、生まれたときから豊かな暮らしではなかった自信はあります。豊かだったのは周りの自然くらいです。田舎なので。そのおかげで、私はとてつもなく倹約家です。ケチンボです。

 

確かに低所得世帯は手当が豊富と聞きます。子どもの頃は親がどのくらい(生活費の何%くらい)公的手当をもらっていたのか知りませんでしたが、学費も全額免除だったし奨学金は返さなくてもいいやつだったし、恵まれていたと思います。

 

さて、今度は自分が家庭を持ったわけです。子どもはまだ3歳ですが、保育料免除とかなって、すっごくありがたいです。月額5万近くかかってましたからね。

 

現在の給料と仕事内容で満足していて、これ以上収入を増やすつもりもないので、このまま社会保障の恩恵をぬくぬく受けて過ごしたいところです。

 

ここまでは我が家の生活の話ですが、これはおそらく超平均的な家庭の話。周りの状況を見てみますと、苦しい家庭も裕福な家庭も、それぞれの生活水準(生活レベル)なりの悩みがあります。

 

所得制限に大きな声で文句を言うのは、大体が平均より上の収入の人です。その家庭の生活水準はその家庭の収入に見合った水準なのでしょう。それはもちろん、平均よりは上のちょっと豊かな余裕のある生活なのでしょう。でも、その人にとってはそれが日常で、それが生きていく上で必要な条件なんです。他と比べようがないんですよ。

 

ひとつ言えることは、一度上がった生活水準を下げることは超難しいです。なかなかできません。

 

所得制限より上の人たちは、手当の有無で生活に困ることはないでしょう。しかし、ちょっと生活水準が下がるのです。ちょっと余裕がなくなるのです。それが耐えられないのです。

 

一方、国が見ているのは、もっと低所得者。普段は大丈夫だが、何か小さいハプニングでもあると生活が成り立たなくなるくらいの家庭。社会保障や公的手当の元の目的は、そういう家庭を助けるためです。

 

もう一度言いますが、私は所得制限に反対です。文句を言っている人を非難しているわけではないです。ただ、ちょっと私の社会保障への思いを書き連ねてみました。

 

たまに想像します。学費免除とか補助とかがあるおかげで、昔はお金持ちしか行けなかった高校や大学に、一般家庭の子どもが通っている姿を。

 

通常、小学校から大学までの過程で子どもたちはふるいにかけられ、周りは同レベルくらいの学力や家庭環境の人ばかりになります。そのふるいがけのプロセスは、レベルの高い環境で成長できるという点ではメリットがあります。

 

しかし、”いろんなやつ”がいる環境というのは、時に勉強より学ぶものがあると思うのです。

 

格差がなくなることで、これまで金銭的に貧しいというふるいにかけられてきた”すごいセンスのある子”が、これから社会で活躍できるようになる。良いですね。少なくとも経済ステータスで親ガチャ失敗とか言われないと思います(笑)

 

息子の学校生活もきっと楽しくなる。”いろんなやつ”がいる状況を面白い!って思ってほしい。そして”いろんなやつ”との付き合い方を身に付けてほしい。

 

社会保障というのは、公的手当というのは、本来そういう希望のあるものだと思います。恩恵を受けている世帯がもっと堂々として、もっと学校が面白くなって、もっと社会で活躍する子どもが増えれば、一部の家庭からの文句は収まりそうな気もします。(きれいごとかな?)

 

きっと、その成果が語られるのは何十年も先のことなんでしょうね。偉人の人生が悲惨だったとかでドラマ化されるような、そんな感じ。

 

手当が増えるから子どもを産めるのか、子どもが社会で十分に活躍して経済が豊かになったから手当を増やせるのか、卵が先かニワトリが先か。

 

少子高齢化対策との兼ね合いは難しいかもしれませんが、ひとりの親として思うのは、「今お金がある」よりも「将来的に子どもがお金で苦労しない」事の方が産む産まないの判断に効いてきます。子どもの人生において大事なのは、親が金持ちではなく、「自分の選択肢が多いこと」です。それを考えると、現状でも、生きていく価値・産まれる価値のある社会だと思います。

 

ちなみに、私はなんやかんや言っといて、子ども2人目はまだちょっと考えられないですね(笑)家計がまだ安定していないし、あと少し貯金してからだと思います。こうやって自分の生活や人生のタイミングで自由に子育てを選択できる環境なのは、やはり日本が豊かという証拠ですね。

 

みんなが少しでも幸せな人生が送れたらいいなと思います。

 

ではまた。ばいびー。